あけましておめでとうございます。
今年も営業がスタートしております。
明日の火曜日も定休日ですが営業する予定でございますのでよろしくお願いいたします。
さて年末には書ききれませんでしたがたくさんの思い入れのある時計達が旅立ってゆきました。
先日はIWC GSTアクアタイマー 黒文字盤 IW353602 中古品がご成約。
今回は当店初購入のお客様です。
2000年付近、2005年ぐらいまでが機械式時計の1つ前の時代とでも言いましょうか。
この時代に特に際立っていたのがIWC、ブライトリング、パネライなどオメガ、ロレックス以外の新興三大勢力の台頭だと思います。
その中でもIWCの示した新たな価値観はその後のメンズウォッチに多大な影響を与えたと思います。
バブルが終わった後も日本ではラグジュアリーな装身具としての腕時計が大勢を占める中で、時計本来の機能に的を絞った実用時計、飾らず目盛りやブレスレットの造りで勝負する姿勢。
特に今回のGSTアクアタイマーは突拍子な事をしたデザインでは無く、目盛りや針、ベゼルを実用性を考えた限りなくシンプルで合理的なデザインにしたものであります。
それなのに強烈に独特なIWCの匂いがするんです。
ギラギラな文字盤に派手な色の装飾。そういう個性の出し方もあるのでしょう。
でもこの頃のIWCの個性の出し方は個人的に本当に好きです。
何度も書いていますが時計のデザインは無駄をしない事が本当に難しいです。
無駄を無くすと類似な時計になる事が多いからです。
無駄な事しないのに強烈なアイデンティティがある時計は基本的に傑作時計になる事が多いです。
今でこそ評価されてますがエクスプローラーIとロイヤルオーク、アクアタイマー、ルミノールなどはその例だと思います。
という事でこだわりがある時計をこだわりのある素敵な紳士の方にお譲り出来て非常に嬉しいです。
20年前の若い頃に雑誌で見て憧れた時計という事、そして納得のいくコンディションの1本を当店で見つけて頂けたという事で「良い時計は必ず良いオーナーの下へ」という当店の時計哲学通りの販売でした。
お買い上げありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
最後に質実剛健な時計はドレッシーな袖口にも相性抜群なリストショットで締めでございます。