どうも。
先日はチューダー ブラックベイ グリーン 79230G イギリス ハロッズスペシャルエディションがご成約。
今回で2回目のご購入のお客様でございます。
今回はチュードル ブラックベイ ハロッズスペシャルエディションの解説を書いてほしいというお客様のご要望に沿う形でお知らせをさせて頂きます。
限定モデルの生産方法は大きく分けると2つ。
1つはオリジナルの個体に対してほんの少しのアクセントを与えるだけのもの。
装着した際の視覚的な特徴は無く、裏蓋への刻印が追加されるだけといったライトな限定品。
もう1つは今回のハロッズの様に文字盤や針、表記など装着した際にも分かるように明らかな差別化を加えられたもの。
ゆえに限定品の価値を大きく分けるのは私は文字盤上の特徴だと思っております。加えて外装にも特徴があるとなおよし。
そして私がTUDORのハロッズモデルが気に入っている理由は製作上の明らかな差別意図に加えて、販売形式に至るまであらゆる方向から眺めた際に優秀な1本であると言い切れるからです。
まず文字盤上の素晴らしい特徴と言えば、 660ft=200mと書かれた緑の表記でしょうか。
まずイギリスのフィート(ft)文化に配慮した配列。通常のチューダー ブラックベイは200m=660ftであるのに対して単位の順番を逆転させかつ緑色のカラー印字にするという小粋な計らい。
派手に絵を書いて限定らしい限定モデルにすることは可能ですが、こういった奥ゆかしい配慮の文字盤こそロレックスの血を引いているのだなぁと感じますし、ハロッズサイドもやはり世界一の百貨店ですから「ほどほど」をよく理解してらっしゃって頭が下がります。
うっとおしい手前までのギリギリの限定仕様。ただでさえ派手なベゼルですから、文字盤上は控えめに、ここで大きく緑色でハロッズなどのロゴマークを入れてしまうと一転、おもちゃの様なデザインのなってしまいますから。
でも限定モデルですから文字盤の表記に加えて秒針も先端だけ緑にするという仕様。秒針全部を緑にする事も選択肢としてはあったと思いますが、ちゃんと諫めて「ほどほど」に落ち着ける事が出来ております。それでいて結果的には針も文字盤も通常モデルとは視覚的に差別化する事ができております。
次に販売形式、まず販売されるのがイギリスのハロッズのみという徹底ぶり。
他国にはカタログにも載せないという方針。
販売本数が少なくても販売拠点が多いと拡散性が高まります。2019年現在では販売地イギリス付近に二次流通個体も集中しており、特に日本や遠隔地での在庫は極めて少ないように感じます。
生産が終了してしまった時には…
枯渇スピードも他を凌駕する無くなり方でしょう。
ハロッズといえば日本の三越がハロッズを参考にして出来たと言われるほどの名門百貨店、その看板の大きさは相当なものです。そして緑色の独特なハロッズのロゴ。
チューダー(ロレックス)ファンなら因縁浅からぬ「緑」というお互いの看板とアイデンティティカラーを背負ったモデルであるという事。
そして現状緑色のベゼルを許されているのがチューダーではこのハロッズモデルのみ。
それもロレックスの16610LV初期モデルを思わせる極上のライムグリーンでございます。
やりすぎないデザイン、本当の限定モデルと呼べる販売形式、与えられた稀有なカラーリング。
全ての要素がコレクターズ魂をくすぐるモデルとなっております。
という事でお買い上げありがとうございました。
緑の珍しい時計がどんどんお手元に集まってらっしゃいますね(笑)
今後ともよろしくお願いいたします。