どうも。
先日はパテック・フィリップ ノーチラス 3800/1A 青文字盤ご成約。
今回は当店初来店、初購入のお客様です。
知人が着けているのを見てこのノーチラス3800を昔買いたいと思ってらっしゃった様で、ご自身の会社を設立する記念にとお買い上げ頂きました。
製造年2000年付近の時計は「耐久性」と「クリエイティブ」の同居している近代時計史における黄金期であると店主は考えております。
現行品の新品の様な耐久性と、手間暇のかかる人手のいる作業が同居している時代なのです。
ですからパテックの旧モデル、3世代前のロイヤルオーク、初代ヴァシュロンコンスタンタン オーバーシーズ、ロレックスの5桁などはそのギリギリのバランス保った時代だからこそ生まれたモノだと思いますし、
2005年以降は「コストダウン」「共通化」が目立ちビジネスとしての腕時計造りが加速したように思えます。
かつてのヴァシュロンコンスタンタンの初代オーバーシーズが採用していたトリプルロックバックルなどは製造コスト面から見ても耐久性から見ても採用される事は無いでしょう。あの面倒な作りこそがヴァシュロンコンスタンタンらしさだったと思うのですが。
進化を続けるロレックスも唯一その「軽さ」を犠牲にしており、もはやそのパラメーターで過去作に勝つことは出来ません。
ではこのノーチラスは何が違うのか?
オリジナルの3800ノーチラスの文字盤は何色とも表現できないような色をしております。
おそらく美しい海を海中から眺めたらこんな感じなのでしょう。
白い部分、青い部分、黒い部分。
見る度に変わる色合い。
そしてトリチウムインデックスのヤケが過ごしてきた時間を物語ります。
昔のモノは良く見えるからなのかもしれませんが、小綺麗なばっかりで3800の文字盤の様に深みのある文字盤には中々最近は出会えません。
今回お買い上げのお客様も文字盤をずーっと眺めれらっしゃいました。
欲しいモノは考えて買うもの。
本当に欲しいモノは気付いたら買ってしまうもの。
そういう一本に出会える事も稀ですし、人だけでなく時計だって着けて貰う人を選んでおりますから。
良いモノは良いヒトを引き寄せる。
これは長年時計を販売してきた私の哲学でございます。
強い引力に導かれるように結ばれた販売でございました。
お買い上げありがとうございます。
またのご来店をお待ちしております。
最後に店主も記憶に残しておきたい白、青、黒が同時に映る至高の文字盤ショットでございます。