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オメガ スピードマスター42mm ブロードアロー ファーストレプリカ 3594.50 黒文字盤 1998年 OH済 1オーナー付属充実中古美品 ご成約

どうも。


本日も元気に営業中です。皆様のご来店お待ちしております。



さて今回はオメガ スピードマスター42mm ブロードアロー ファーストレプリカ 3594.50 黒文字盤がご成約。


今回は当店初購入のお客様でございます。



「正規店でスピードマスター買おうとしたら120万円するんですが、僕は半額なら中古でいいかなと。むしろこっちのデザインの方が好きです」



今回は時計を初めて買うお客様の接客でございます。
そしてこの一言に色々な事が凝縮されているなと思います。




今の30台40台の方はオメガやタグホイヤーから機械式時計というものに入門した方が多いのでないでしょうか?

 

スピードマスターやアクアレーサー、リンクが時計の登竜門と言いますかそんな位置づけだった様に思います。

10万~30万円の所謂ミドルプライスの腕時計の入門にこれらのモデルが一役買っていたのであります。




今の高級品販売はエルメスやルイヴィトン、ロレックス、オーデマピゲなどを見るに単価の向上こそが生き残る道、という超高級路線への舵取りが主流であります。

上位10%では無く上位3%を相手にする商売でございます。
経済学的にはこれしか高級品メーカーが生き残る道は無いそうです。



ですが私はこのスタンスは遠くない未来腕時計業界を破滅させると思っております。


私はモノの価値はブランド力とプレーヤー人口の数だと思っております。



オンラインゲームやゴルフの会員権に詳しい方ならご存じですが、その趣味を楽しむ人数と欲しい人間の数がいてこそのモノの価値なのでございます。


いくら素晴らしいモノを作っても欲しい人がいなければ成り立たないですし、誰も欲しくないモノになれば高いお金を払って買ってくれる人はごく少数になるでしょう。人が欲しいから人は欲しいというのが真理なのです。



エントリーモデルを甘く見たツケがいつか津波の様に襲い掛かってくるように思います。



自社の利益のみならず、次の世代への種まきをする。
そうして育った人が高級時計を買ってくれるユーザーになるのに、高値で売る事を覚え足元が見えていない。



今も確実に存在する新規ユーザーに各メーカーいきなり200万、300万円の時計を差し出す。
本当に25歳の時のあなたはその時計を買えましたか?


お金を出せるかという意味では無く初めて買う時計にその値段の価値を見出せるかという話です。


買えないなら買うな?そしたら砂漠しか残らないのです。



ですが今思いがけずセイコーとパネライの中古市場は只今活況でございます。
値段と価値が見合っていると思っている方が多いからかもしれませんね。


時計の価格が高いのも2024年の時計市場の特徴ですが、ユーザーの学習能力が高いというのも2024年の時計市場の特徴です。


合理的に品質と価格が見合っている時計を探す力も増していますし、誰もが認めるブランド以外の良さを発見する情報探索能力も増えております。





話は戻りますが、間違いなくオメガは初心者の1本目路線を脱却して高級志向へ進んでおります。


それが新規ユーザーの中には受け入れられず、中古で買う人、他のメーカーの時計を1本目に買う人も増えていくでしょう。



オメガのブレスレットやバックル、ムーブメントの進化は目を見張るものがありますが、最初に自分が時計を買う時にそこまで理解できたでしょうか?



新規に優しくない業界は廃れます。
初めて時計を買うお客様との接客の時は普段の数倍神経を使います。

時計を嫌いになって欲しくないからです。




そして最初のお客様の一言に今の時計業界の問題を感じてしまうのであります。



この1本目から新たな優良な時計ユーザーになってくれる事を願って。


気持ち良くお買い上げありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。



最後に真面目な事書いているけどみんなでアホな話しながらの接客で初の機械式時計入門ショットで締めでございます。