どうも。
先日はヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズクロノグラフ シルバー文字盤49150/B01A-9095がご成約。
今回は当店常連のお客様でございます。
人件費は上がっている。
でも時計にかかるコストはどうか?
目に見えてローコストになっていってますね。
そんな思いをこのヴァシュロンコンスタンタンの先代オーヴァーシーズを見るたびに思います。
なぜなら面倒くさい気配りを随所に感じる時計だからです。
例えばベゼルの3時位置だけサテン仕上げに変更していたり。
これは手巻きした際に指で鏡面ベゼルを傷つけないため。
これは使えば使うほど恩恵のある仕様なのです。
パネライのルミノールマリーナも世界発売当初はリューズガードは鏡面仕上げでした、しかし発売から5年後リューズガードはサテン仕上げになり手巻き時に付く細かなスレが目立たないようになりました。
目立たないが文字盤全体に施されたギョーシェ仕上げ、そこへ敢えてスイス古典的な針ではなくかなり太い夜光針。スイス古豪メーカーがやるからこその高度なミスマッチ。
そしてそれに合わせてインデックスも太く夜光面積が広いものになっております。
クロノグラフのインダイアル針もエンパイアステートビルみたいな独特の形です。
12時位置の2窓デイトもアイデンティティ際立ちます。機械としてはFP1185ですが2窓デイトにするには当然1窓デイトよりもパーツ数も増えますし組み上げ工程も増えます。
どの部分を見ても普通のクロノグラフとの「差」を感じる造りなのでございます。
もうこういった時計がアンダー300万円で発売される事はないでしょう。
もちろんインフレもあるのでこの時と比べてはいけませんが。
のっぺり、もっさりとしていくはずです。
どこか作り易さが見えてしまうような。
それでもメーカーの新品は多くのユーザーの入り口ですからうまい事やってもらいたいと思ってます。
購入したオーナー様も気が付けば土日は49150オーヴァーシーズクロノばかりになっているとのことです。
機械式時計の黄金期である2005年付近発表の作品はどれも手間暇惜しまない良作ばかりです。
やはり細部への造り込みこそ腕時計の価値に思えてしまうのであります。
いつもお買い上げありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
最後にずっと気になってやはり買ってしまう、時計好きあるあるショットで締めでございます。
