どうも。
先日はゼニス エルプリメロ 36000VpH ライトウェイト 03.222.400/69.M2280がご成約。
今回は当店初購入のお客様でございます。
「理由は分からないのですが、なぜかこの時計がずっと頭に残ってまして…」
という事で以前ご試着して頂いてから2か月ほど経ってからお買い上げ頂きました。
何か良い時計が欲しいなぁ、と色々な時計店を巡られていたそうでブランドもムーブメントも特に決めずに色々なお店を見て回られていたそうです。
そして2度目のご来店で初の機械式時計のご購入となりました。
最初の1本目を買うのって勇気がいるんですよね。
なんでたかが時計にこんな高いお金払って…
と思われる方がほとんどだと思います。
現代からするとスマートウォッチが普及しており今にも無くなっても良さそうな市場なのですが、ずっと残っている。と、言うよりも拡大していると言った方が良さそうな気がします。
クレジットカードなんかも私は似ていると思うのですが、電子マネーがここまで普及して振込の速度だって格段に早くなっていて、それでも年ごとに高額な年会費を払って金属のカードや好みのカードを愛用する。
金製品だってそうです。こんなにも仮想通貨があるのにいまだに物質的な金の価格が高騰し続けている。
面白い文化ですよね。
20年前よりもはるかに合理的でAIがここまで入り込んだ社会で旧世代に生み出された産物が今も愛されている。
合理的な世の中になればなるほど、非合理的な物質や仕組みに価値が生まれる。
無いモノねだりの人間の性格が強く表れているように感じます。
だから今でも年齢相応の良い時計が欲しい。と思う人が絶滅しないのでございます。
私はロレックスやパネライなどのゴリゴリのヲタク知識の接客も好きですが、最初の1本目をどういう時計にするか?という接客はもっと好きかもしれないです。
メーカーのブティックであれば当然自分の扱うブランドや関連ブランドを推さなくてはいけないはずですが私はフェアな目線で全ブランドの今までの印象や修理に対する姿勢、故障の頻度を説明してあげる事ができます。
別に自分のお店で買わなくてもいいんです、その人が機械式時計の道に足を踏み入れてくれれば同じ。
いつかきっと交わるし、どこかの時計屋さんが潤えば業界が長生きします。
今回はたまたま当店で目に留まるものがありお買い上げ頂けて嬉しい限りです。
またお店に遊びに来て頂ければ本望です。
気持ちよくお買い上げありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
最後にずっと頭から文字盤のデザインが離れなかったので迎えに来たショットで締めでございます。
