どうも。
先日はロレックス デイトナ 116520 黒文字盤 2016年8月鏡面バックルがご成約。
今回は当店初購入のお客様でございます。
ステンレスベゼルのデイトナが廃盤になりもう8年になります。
私はなんだかまだ最近の出来事の様に感じます。
今でさえデイトナと言えば116500LNの白文字盤が真っ先に頭に浮かぶ人が多いと思いますが、2018年ぐらいまでは116520の黒文字盤を思い浮かべる人が多かったのだと思います。
廃盤になった年今でも思い出しますが116500LNの白文字盤が200万円ぐらいのプレ値で二次流通に出た時に、
「定価の2倍?そんな値段で誰が買うんだよ!」
ってほぼ8割ぐらいの人が言っていた気がします。時計店の販売員さんもみんなあり得ないって言ってましたね。
今考えればあり得ないぐらい安かったのですが。
むしろ現行のデイトナはこの時のプレ値より高いんですね。
値段と共に大きく時計を取り巻く環境も変わった8年であったなと思います。
そもそも定価より高く時計が販売されるという奇跡を作って一般化させたのも116520が作り上げたものだとも思います。
それが良いか悪いかは別としてそれほどまでにデイトナ116520という時計が時計業界全体に与えた影響は大きく、いきなり116500LNが発売してもここまでの評価は得なかったと思います。
116520が作り上げた機械への信頼、メンテナンスにおける信頼、資産価値への信頼がデイトナというモデルにこれほどまでの強さを持たせたのだと思います。
これはそれを裏付ける経験でして今のロレックスには求めないで欲しいのですが、10年ほど前にかつて保証期間を1カ月過ぎた116520のバックルの溶接部分がいきなり取れるという事態を経験しました。
何事も無くいきなり付け根が本当にポロンっと取れてしまったのです。
その際にはいったいどんな修理?おそらくはバックル交換?最悪はブレスレット交換だと高額請求を覚悟してロレックスに修理に出したところ
「当社でも予測不可能な破損、だがしかしお客様の使用による強い衝撃がかかった様子が見られないので無償にて回復させて頂きます」
という回答が来た時にロレックスはデイトナ116520のブレスレットに相当の自信を持っていると同時に懐の深さに感心したものです。
普通に使っていて取れた事をロレックスは把握していてその上で保証期間は過ぎているのにメーカー側の非として対応してくれたのです。
これは自社製品によほどの自信が無い限り出来ない事だと思います。
これこそがメンテナンスと自社製品に対する信頼の現れですね。
ロレックスってそういう会社だったんです。ユーザーが強欲なるにつれロレックスも付け込まれない様にこういう対応は出来なくなっていってるのだと思います。
ちなみに何度もロレックスは116520をアップデートしているのにほとんどアナウンスはしておらず一般にはほとんど知られていない改良もあります。
そうやって品質にもユーザーへの対応も徹底してきた16年間が116520の歴史であったように思います。
そして今回もノンポリハンターの下へ116520は旅立たれました。
きっと最後のステンレスデイトナとして名作に名を連ねることでしょう。
気持ち良くお買い上げありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
最後に綺麗なロレックスを買った人のほとんどは
「とりあえず今日は箱に入れて帰ります」ショットで締めでございます。