どうも。
先日はヴァシュロン・コンスタンタン パトリモニー 黒文字盤 ブティック限定モデル 85180/000R-9232がご成約。
今回は当店初購入のお客様でございます。
細かな違いが大きな違い。
今回のヴァシュロンコンスタンタンのパトリモニーですが通常の販売モデルとは細かな違いがございました。
通常のパトリモニーオートマティックはカレンダーディスクが白いのですが、今回のブティック限定モデルは黒いカレンダーディスクでございました。
パトリモニーは一見シンプルなデザインなのですが、丁寧に磨き上げられた植字インデックスとその間に配される点は全てくり抜いた穴に塗料を塗ったものです。
ボンベダイアル(中央が高くて縁が低いドーム状)を思わせる縁の高さが低い文字盤。針の先端はダイアルに沿って曲げられておりよく見ると美しいカーブを描いております。
そうなんです。こうやって書いてみると1960年代のアンティークウォッチの説明みたいなのです。
つまり現代の時計でありながら60年以上も前の技法をそのまま用いた腕時計なのでございます。
1969年までの時計開発が進化がメインの歴史だとするなら、2023年へと向かう時計近代史とは効率化の歴史であると思っております。
どんなメーカーにも言える事ですが利益率向上、生産性能向上の為パーツの供給化や簡素化がすすみました。
つまり簡単に作れて高く売れる時計のラインナップが進んだという事です。
勿論手間暇がかかる部分も多くありますし、こだわっているメーカーさんもたくさんあります。
1つ前のブレゲの5817STマリーンなどは200万円アンダーの価格でよくぞあそこまで作り込んだものだと思います。ケースから何からコストのかかった時計だと思います。文字盤のギョーシェも素晴らしい。
そして文字盤の手間暇とは何もギョーシェ彫りの様な装飾だけではございません。
こうやって目盛りの1つまでプリントせずに塗料を穴に流し込んで作る事や、斜めから見た時のカレンダーディスクの窓の淵までちゃんと塗料で塗る事だとか。
そうやって磨き上げられた丁寧な仕事をしている文字盤だからこそカレンダーディスクの色が白か黒だけでも相当な違いを感じるのでございます。
比べて見て頂けると違いを感じて頂けると思いますが、カレンダーディスクが黒になることでグッと引き締まった隙の無い印象を受けます。
些細な変化ですがドレスウォッチ好きの方には大きな違いでございます。
今回のお客様は他にもパトリモニーをお持ちだとのことで、良いバリエーションの1つになったのではないかと思います。
気持ち良くお買い上げありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
最後に一片の隙も残さない様な引き締まった文字盤ショットで締めでございます。